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複合語・数量・名前 ​

Suzume は複合語や数量を一つの検索単位にまとめる一方、生産的な接尾辞や行政区分の境界は残します。ここでは、語句の種類ごとに結合と分割を並べて説明します。

比較条件と読み方は MeCab との違い、品詞の付け方は POS 分類の違いを参照してください。

複合語 ​

漢字複合語 ​

辞書や文法規則から内部境界を判断できない未登録の漢字列は、通常1つの名詞候補として保持します。一方で 神奈川県 / 横浜市 や 会議 / 中 のような構造上の境界は分割します。

入力経済成長
MeCab
経済名詞成長名詞
2トークン
Suzume
経済成長名詞NOUN
1トークン
入力開始予定
MeCab
開始名詞予定名詞
2トークン
Suzume
開始予定名詞NOUN
1トークン

カタカナ複合語 ​

未知の一般的なカタカナ列は、通常1つの名詞候補として保持します。辞書や形状規則に根拠があれば、「ドキドキ(ADV)」のように別の品詞を付与します。

入力サンプルデータ
MeCab
サンプル名詞データ名詞
2トークン
Suzume
サンプルデータ名詞NOUN
1トークン
入力セットリスト
MeCab
セット名詞リスト名詞
2トークン
Suzume
セットリスト名詞NOUN
1トークン

文字種をまたぐ複合語 ​

英字語に続くカタカナ語は1つの複合名詞になります。

入力AIブーム
MeCab
AIブーム
2トークン
Suzume
AIブーム名詞NOUN
1トークン

動詞連用形からの複合名詞 ​

動詞の連用形+「会」、および行き先を表す「行き」は、1つの名詞になります。

入力飲み会
MeCab
飲み会
2トークン
Suzume
飲み会名詞NOUN
1トークン
入力東京行き
MeCab
東京行き
2トークン
Suzume
東京行き名詞NOUN
1トークン

複合動詞の連用形を名詞として使う場合、後続する名詞とは分かれることがあります。取り扱い方法 は 取り扱い(NOUN) / 方法(NOUN) になります。

名詞+一字接尾辞 ​

次の限定された名詞+一字接尾辞の組み合わせを結合します。

入力報告書
MeCab
報告書
2トークン
Suzume
報告書名詞NOUN
1トークン
入力成功率
MeCab
成功率
2トークン
Suzume
成功率名詞NOUN
1トークン

対象接尾辞: 書、誌、時、率、性

動詞連用形+「方」 ​

短い動詞連用形に形式名詞「方」が続く場合、方法を表す単一の検索単位に結合します。

入力走り方
MeCab
走り方
2トークン
Suzume
走り方名詞NOUN
1トークン

結合するのは短い語幹だけです。連用形が2文字以内の場合に限られます(走り方、やり方)。長い連用形は境界を維持し、「打ち合わせ方」は「打ち合わせ / 方」のままです。長い連用形転成名詞の後でも同じ境界を保ち、取り扱い方 は 取り扱い(NOUN) / 方(SUFFIX) になります。

数量と日付 ​

数字と単位 ​

基数に助数詞・単位が続く場合は、通常1つの数量トークンに結合します。大きな数値単位(万、億、兆)、小数、パーセント、アルファベット単位にも対応します。ただし序数や構造接尾辞の規則により、第三 / 回 のように分割する場合があります。

入力3人
MeCab
3人
2トークン
Suzume
3人名詞NOUN
1トークン
入力100円
MeCab
100円
2トークン
Suzume
100円名詞NOUN
1トークン
入力3.14
MeCab
3.14
3トークン
Suzume
3.14名詞NOUN
1トークン

数量の前後には検索単位としての境界を維持します。

入力徒歩五分
MeCab
徒歩五分
3トークン
Suzume
徒歩五分名詞NOUN
2トークン
入力三ヶ月間入院
MeCab
三ヶ月間入院
4トークン
Suzume
三ヶ月間名詞NOUN入院
2トークン

3種類、3人分、3ページ目 のような数量表現も、全体を 1 つの NOUN トークンとして保持します。助数詞の認識で後続の語を途中で切らず、数量に続く「分」や順序を表す「目」も数量の一部として扱います。

カンマで桁を区切った数値は、数値全体を一語として扱います。後続する助数詞は独立した SUFFIX にし、金額は一つの検索単位にまとめます。

入力1,000人
MeCab
1,000人
4トークン
Suzume
1,000名詞NOUN人接尾辞SUFFIX
2トークン
入力1,000円
MeCab
1,000円
4トークン
Suzume
1,000円名詞NOUN
1トークン

同じ結合はアラビア数字以外にも適用されます。

かな表記の数量:

入力よんにん
MeCab
よ形容詞ん名詞に助詞ん助詞
4トークン
Suzume
よんにん名詞NOUN
1トークン

配分表現の数量:

入力一語一語
MeCab
一語名詞一名詞語名詞
3トークン
Suzume
一語一語名詞NOUN
1トークン

番地・地番:

入力1-2-3
MeCab
1-2-3
5トークン
Suzume
1-2-3名詞NOUN
1トークン

序数の「第」と概数の「約」: 序数接頭辞の「第」は数字と結合し、後続の助数詞は独立した SUFFIX トークンになります。概数接頭辞の「約」は逆に独立した PREFIX のまま、数字が助数詞と結合します。

入力第三回
MeCab
第三回
3トークン
Suzume
第三名詞NOUN回接尾辞SUFFIX
2トークン
入力約三人
MeCab
約三人
3トークン
Suzume
約接頭辞PREFIX三人名詞NOUN
2トークン

日付 ​

完全な日付表現は単一トークンに結合されます。

入力2024年12月23日
MeCab
2024年12月23日
6トークン
Suzume
2024年12月23日名詞NOUN
1トークン

名前と接尾辞 ​

固有名詞と地名 ​

地名構成要素と地域接尾辞の多くは結合します。ただし 県+市 は構造規則による例外で、都道府県と市を分割します。

入力東京都新宿区
MeCab
東京都新宿区
4トークン
Suzume
東京都新宿区名詞NOUN
1トークン

地名

県+市 ​

県+市の複合名詞は行政区画の境界で分割されます。

入力神奈川県横浜市
MeCab
神奈川県横浜市
4トークン
Suzume
神奈川県横浜市
2トークン

県/市の境界で分割

注: この分割ルールは 県+市 パターンにのみ適用されます。都+区(東京都新宿区)や 府+市(大阪府大阪市)などの組み合わせは、固有名詞と地名の結合ルールにより単一トークンに結合されます。

敬称とひらがな愛称 ​

敬称は名前から分割されます。

対象敬称: さん、ちゃん、くん、様、さま。漢字表記の「君」「殿」は、2字以上の漢字からなる語の後では分割します(佐藤 / 君、先生 / 殿)。

これらの敬称でも、公開 API の品詞は一律ではありません。佐藤様 は 佐藤(NOUN) / 様(NOUN) になります。

入力佐藤君
MeCab
佐藤名詞・固有名詞君名詞・接尾
2トークン
Suzume
佐藤名詞NOUN君接尾辞SUFFIX
2トークン

漢字1字の後では、人名と「主君」のような普通の複合語を区別できません。そのため 林君 は一語のままです。これは語彙情報がないことによる制約です。

入力林君
MeCab
林名詞・固有名詞君名詞・接尾
2トークン
Suzume
林君名詞NOUN
1トークン

例外: お兄ちゃん、お母さんなどの家族語と、「皆様」「皆さん」は単一トークンとして維持されます。

2〜3文字のひらがな語幹に「ちゃん」「くん」が続く短い愛称や、辞書化された家族語は検索単位として結合する場合があります。通常の「さん」は、漢字の名前に付く場合も独立した接尾辞になります。

入力わんちゃん
MeCab
わんちゃん
2トークン
Suzume
わんちゃん名詞NOUN
1トークン

動詞連用形+生産的接尾辞 ​

動詞語幹に付く生産的な接尾辞 — がち(傾向)、たて(直後)、っぱなし(放置) — は境界を維持して SUFFIX を付与するため、動詞語幹は原形付きで検索可能なままです。

入力忘れがち
MeCab
忘れ動詞がち名詞・接尾
2トークン
Suzume
忘れ動詞VERB→忘れるがち接尾辞SUFFIX
2トークン
入力できたて
MeCab
でき動詞た助動詞て助詞
3トークン
Suzume
でき動詞VERB→できるたて接尾辞SUFFIX
2トークン
入力開けっぱなし
MeCab
開けっぱなし名詞
1トークン
Suzume
開け動詞VERB→開けるっぱなし接尾辞SUFFIX
2トークン

否定構文の「読みっこない」も同じ方針で、読み(VERB)/ っこ(SUFFIX)/ ない(ADJ)に分かれます。

数量・状態の接尾辞 ​

Suzume は漢字複合語を積極的に結合しますが、生産的な数量・状態の接尾辞は境界を維持して SUFFIX を付与します。

入力二階建て
MeCab
二階建て
3トークン
Suzume
二階名詞NOUN建て接尾辞SUFFIX
2トークン
入力砂糖抜き
MeCab
砂糖名詞抜き名詞
2トークン
Suzume
砂糖名詞NOUN抜き接尾辞SUFFIX
2トークン
入力会議中に
MeCab
会議名詞中名詞に助詞
3トークン
Suzume
会議名詞NOUN中接尾辞SUFFIXに助詞PARTICLE
3トークン

「例年並み」は 例年(NOUN) / 並み(SUFFIX)、「汗まじり」は 汗(NOUN) / まじり(SUFFIX) に分かれます。「中」は前の語によって役割が変わり、形容詞が修飾する「忙しい中」は 忙しい(ADJ) / 中(NOUN) として、「中」を接尾辞ではなく形式名詞にします。

名詞化の「さ」のように境界を変えずにラベルだけ変わる接尾辞は、POS 分類の違いで扱います。